あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(上) (MF文庫ダ・ヴィンチ) 5冊目

アニメは BSフジで視聴していて、昨日最終回。登場人物の心理描写、人間関係の変化と何かよく分からない「おねがい」を一生懸命叶えようとする姿に惹かれる作品。途中までは皆負け犬かなと思ったけど、最後は皆幸せそうでよかった。

これはアニメの原作小説・・・ではなく原作であるアニメの脚本家自身による小説化です。
上巻はアニメでは、5話の冒頭部分まで。
ストーリー展開が小説とアニメでは似てるようで重要な部分が違っていて小説のほうが無理がない展開なのと、細かい心理描写、特ににアニメでは最後まで分かりにくい、「つるこ」の心理描写があるのが嬉しい。
展開も早いので、劇場版やOADガンダム的なやつ)があるなら小説ベースで作るのもアリかと思った。
以下ネタバレ。
めんま」の存在が「じんたん」以外の超平和バスターズの4人に完全に認識されるタイミングがアニメでは8話と終盤の方なのが、小説では納涼BBQ(めんまを探そうの会)で「めんま」が「あなる」の持ってきた花火をやるということで表現。その花火をしたことで、怖がる皆を見たことで、「めんま」が後悔し、超平和バスターズのみんなと会うのが怖くなっていたけど、「あなる」が「めんま」の存在を受け入れて、秘密基地に2人一緒に来るという描写にグッときた。また、その花火をするという描写はタイトルである「あの日見た花」に結びつけてあるのが良かった。(アニメでは「あの日見た花」がなんなのかははっきり示されていない。)

「ゆきあつ」のめんまコスプレがバレたあと、小説では「つるこ」が「ゆきあつ」に対して直接フォローしていて、「優しいつるこ」が見れたのも良かった。アニメの「つるこ」はそういう面というか感情が言葉や行動に素直に最終話近くまで出てこないので一人だけ浮いている感じがする(そこがいいといえばいいのだけど)。

どうなっていくのか下巻が楽しみ。