地政学入門―外交戦略の政治学 44冊目
- 作者: 曽村保信
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1984/03/22
- メディア: 新書
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地政学とは地理的な環境が国家に与える政治的、軍事的、経済的な影響を巨視的な視点で研究するものである。
去年ぐらいから少しずつ知識を仕入れていて、入門書をちゃんと読みたいと思っていて購入した。
イギリス/アメリカで発展した海洋国家系地政学と、ドイツで発展した大陸国家系地政学についての入門書。
ニュース解説だけでは分からなかった/納得できなかった各国の外交・軍事的な行動の理由がかなり補完できた。
で、日本と近隣各国との領土問題も実際のところ辺境の島ばかりだし、歴史的背景やEEZの確保だけでは納得できない部分を要約理解したし、そこが領土問題の重要なところで日本人と他の国では意識がずれているように思った。
地政学的にみればロシア、中国、韓国、北朝鮮にとっては、ユーラシア大陸のそばにある南北に長い島国というのは(特に海上交通という意味で)邪魔であり、韓国が竹島を、ロシアが北方領土を、中国が尖閣諸島を実効支配している/自国の領土だと主張したくなるのも当然か。
アメリカにとってみれば、意外と東西にも広くて第二次世界大戦までは北太平洋の西半分が危険地帯だったのが同盟を結んだことで、北太平洋を安全に行き来でき、ユーラシア大陸に睨みをきかせられる恵まれた状況になっている。
っていうことで外からみると日本は地政学的にも重要な位置だということを再確認。
そして高校か大学の一般教養の科目に追加したほうが将来の日本のためのような気がする。