リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは

リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは

リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは

リーダーシップ、コーチング等、大なり小なり組織のリーダーになった人のための本はたくさんあった。
自分も読んだ。上司が分からないと部下として振る舞えないからだ。

ただ、いざ、趣味の話とはいえ、自分が上司になったとき、それ通りにやるのはしんどかった。回復にはまだ時間がかかりそうだし。

また、部下というか、社会の一員としてのスキルアップの本もたくさんある。
自分もかなり読んでいる。基本的な力がないと、やっていけないから。
でも、正直なところこれでいいのかという疑問もあった。

で、この本。
望んでリーダーになった人のための本ではなく、大半の「役割」を与えられて、リーダーをやっている人のための本。
そして、組織を構成するほとんどを占める部下のための本。

例えば、いきなり公立中学校のラグビー部の監督を命じられ、1年で全国優勝を果たせという責任を与えられたならば、恐らく、生徒の自主性に委ねるより、完全なトップダウン方式でぐいぐいと引っ張っていくだろう。

と後書きに書いてあるように、この著者は「組織」というか、「組織論」を熟知しているということが、文章全体から伝わってくる。

  • 組織のメンバーは自分の「スタイル(らしさ)」を確立すること
  • リーダーはぶれないこと
  • フォロワーは主体性があること

が、カリスマリーダー不要の組織には「最低限」求められる。
項目だけ見ると使い古されているかもしれないが、「最低限」というところが、新しいところだと思う。
そしてフォロワーがスタイルを確立する(させる)方法、主体性を持つ(持たせる)方法に大半を割いている。
これを読むと、リーダーがフォロワーを育てるのは大変だ。しかし、フォロワーが自分で育つ分にはそこまで大変ではないかと思う。
ただ、カリスマリーダーになることよりは簡単なのではないかと思った。

やはり、カリスマリーダーが賞賛されるのは当然ではあるが、その人の組織論はその人にしかできない。
ただ、この方法なら実践できると思ったというか、こういうようにやりたいと前から思っていたことを実践した人の本だったので読んでいて気持ちがよかった。おすすめ。