ディープ・スマートから大局観へ

「経験知」を伝える技術 ディープスマートの本質 (Harvard business school press)

「経験知」を伝える技術 ディープスマートの本質 (Harvard business school press)

日本では2007年問題として有名ですがアメリカでも2008年問題となっているようで、経験から来る知識(ディープ・スマート)、いわゆる知恵とかノウハウといわれる物を次の世代へどう伝えるかについて書いてある本です。
まだ途中までしか読んでいないですが、興味深い内容なので紹介。
少なくともまずやらないといけないのは、ディープ・スマートを伝える相手の脳に、レセプターと呼ばれる受容体を作り出す作業。「情報は既に知っている知識と結びついて、初めて新しい知識となる」ということで、それを作る作業をまずやらないといけない。
実はやれてるようでやれてないのがこれで、教えてる相手の本当のレベルを把握していないと、知識は伝わらず、最終的には残された人で再構築しなければならなくなる。
少なくともディープ・スマートを得る(1人前)になるには10年は掛かるとのことで、2007年問題に本気で取り組むとして、定年延長を考慮しても、今からやり始めてギリギリか遅いぐらいかもしれない。待ったなしです。

ところでディープ・スマートによって複雑なパターンから1つの的確な答えが短時間に出せると書いてあることから将棋や囲碁の世界で言うところの「大局観」という言葉のほうが分かりやすい人もいるかもしれません。

簡単に、単純に考える (PHP文庫)

簡単に、単純に考える (PHP文庫)

棋士の方の著書もたくさん出てますが、この本の目次にもあるように「思考を省略する」というか、「自分(会社)にとって良いものを単純に、簡単に考える」ことが出来るようにあなれば・・・と思いながら前者の本を読んでおります。