【ネタバレあり】劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~【感想】

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5/3に劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~を見てきました。
作品を楽しむためには、

は事前に予習しておかないと人間関係(と登場人物の感情とか、セリフの意味)の把握が困難だと思われるくらい、削れるものは全部削った作品だった。

以下、ネタバレありの感想(原作は未読です)
書いていくうちに、おすすめのはずだが、辛口になってしまった。

演奏面

響け!ユーフォニアムTVシリーズでは日常(会話)パートではサントラに管楽器を使わない演出をしていたはずですが、今回は管楽器の楽曲を意図的に多用している印象。
キャラクターの心情に付ける劇伴としては間違っていない選曲なのだが、TPO的には疑問符な選曲と演奏レベルで逆に気になったところもあるのが残念。

オープニング

新入生勧誘で「これが私の生きる道」を演奏していました。1年前(暴れん坊将軍)と雲泥の差でびっくりする。
指揮は優子がやっていた。2期の文化祭では希美が指揮をやっていたので、変更があった経緯が気になるところ。

サンライズフェスティバル

1年前と京都全体で選曲の方向性と演奏レベルが変わっていると感じるくらい、京都府の高校吹奏楽のレベルがインフレしている。
TVシリーズ2期(及びそのサントラ)の演奏を聴く限り、優子たちが中3の年から京都府の中学吹奏楽レベルが急激に上がっていて、
新1年生・奏のエピソードから考えると、その波が高校に来たと考えれば納得はいく。
衣装は個人的には前年度の方が好きだが、全国大会出場によって予算が増えての変更のだろうか?それとも隔年で変更があるのだろうか。

吹奏楽コンクール

北宇治高校の課題曲は「マーチ・スカイブルー・ドリーム」(2016年度の課題曲)。前年の「プロヴァンスの風」は2015年度の課題曲なので、アニメの世界観的には2015年~2017年の3年間を描くということで確定っぽい。商業的に2019年度の課題曲を選ぶのかと思っていたのだけれど予想が外れた。
アニメ化されたのは関西大会での自由曲の「リズと青い鳥」の演奏で、映画の「リズと青い鳥」の結末からどう変わったかが確かめられる。
希美とみぞれは、この作品では一切セリフがないが、演奏面での主役はこの2人(特にみぞれ)である。
演奏中の映像のカット割りは、曲的に仕方がないかもしれないが木管パートとパーカッションパートが多く、金管・低音が少なかったのが残念なところ。

しかし、関西地区の高校吹奏楽のレベルもインフレしていて(新ライバルをさらっと登場させているし)、あの演奏(個人的には昨年よりレベルアップしていると思う)でなぜあの結果なのか。
全国大会でいいのではと思ってしまう。

ストーリー面

久美子の中の人である黒沢さんの演技が良い。久美子の人としての成長を、セリフではなく演技で示している気がする。
あと、関西大会での出番前に、優子が夏紀に感謝を述べたところは、この作品での個人的なハイライトだと思う。

不満点としては、今作とリズと青い鳥見ていて一番成長したとのは優子だと思うだが、久美子の成長を描くことにフォーカスした作りで仕方ないとはいえ、時間的な制約があるとはいえ、優子の内面描写が少なすぎる気がする。
久美子と秀一の恋愛絡みの話の尺を優子に使って、久美子と秀一の恋愛絡みの話円盤特典エピソードにしても良かったのではと思う。
なので、優子視点の話を、夏紀や加部ちゃんも絡めて短編(リズと青い鳥も包含した)を作って欲しい。
部長としての悩みの話は、久美子が3年生のときのエピソードで行われるだろうとは思うのだが、TV版での春香と同様に、優子もフォーカスされないと、久美子で同じ話を作ろうと思ったときに重みが出ないような気がする。